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昨日は、猫ちゃんが家のムードメーカーに
なっているお話をしましたが
谷崎潤一郎の小説
『 猫と庄造と二人のおんな 』は
猫に翻弄される男女が描かれた作品です。

ペルシャ猫のリリーを溺愛している庄造。
前妻 品子は、庄造を取り戻したい気持ちから
庄造の気を引くためにリリーを懐柔しようと
妻 福子にリリーを譲ってほしいともちかけます。

品子と福子の駆け引きのなか
次第に福子はリリーに嫉妬するようになり
庄造はリリーを品子へ譲ることに。

ちゃらんぽらんな庄造と打算的な女たちが
巻き起こすドタバタ劇はまるでコメディー
のように楽しめますが

「人間は皆嫌いや、わての気持を知るのは
 リリーだけや......」(注1)

庄造のセリフがなんだかもの悲しく響きました。

注1 『猫と庄造と二人のおんな』(新潮文庫)



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